内分泌代謝カンファレンス|江戸川区の内科|甲状腺、糖尿病なら田村医院

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内分泌代謝カンファレンス

内分泌代謝カンファレンス

2015.07.22

7/21に私が所属していた(現在も非常勤で勤務しています)日本医科大学付属病院糖尿病・内分泌代謝内科主催の内分泌代謝カンファレンスに参加してきました。

演題は2つ。

まずは医局の先輩で、駒込にある金地病院(甲状腺専門)の副院長小野瀬裕之先生による「甲状腺疾患アップデート~甲状腺機能低下症を中心に~」でした。

専門病院ならではの特殊な症例や、多数の興味深い患者さんのデータなど中心に、普段の診療で見逃しがちな点や、具体的な治療方法などアメリカの甲状腺学会のガイドラインをもとに詳しく解説していただけました。私も内分泌専門医として多数の甲状腺の病気を持つ患者さんを診察をしていますが、普段何気なく接している甲状腺機能低下症の奥の深さに改めて気づかされました。学会をはじめとして最近は甲状腺機能低下症を中心にした講演はなかなかないので、非常に貴重で勉強になりました。

 

2つ目は日本のスポーツ医学の第一人者である慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授勝川史憲先生による「糖尿病と他の生活習慣病の運動療法のエビデンス:どこが違うのか?」でした。

生活習慣病に対する運動療法は、実は疾患によって有効な方法が違うという内容です。糖尿病・脂質異常症・高血圧・メタボリックシンドロームにそれぞれどのような運動がより効果的なのかを具体的なデータを基に詳しく解説していただきました。高血圧患者さんに対する運動療法は比較的短時間、回数が少なくともよいのに対し、糖尿病に対する運動療法はある程度の負荷をある程度の時間、ある程度の頻度で行う必要があるそうです。脂質異常に対する運動療法の効果は非常に限定的だということも教えていただきました。

改めて運動療法、食事療法の重要性を認識するとともに、継続させることの大切さを感じました。

ご講演中糖尿病に対する運動療法の具体的方法で、自転車通勤を強く勧められていました。というのも普段の生活で同じ運動を継続(10分以上)し、ある程度の頻度(週5回以上)で行うのが難しいが、自転車通勤なら可能であるとのことです。思わず大きくうなずいてしまいました。ただし事故には気を付けてくださいと付け加えておられました。

普段から私も患者さんに運動の重要性を強調しています。とにかく体を動かすよう意識することをはじめのステップとして、徐々にレベルアップできるよう話しています。今回の講演をもとに、さらに詳しく患者さんにお話しできるのではないかと考えています。

 

講演後の情報交換会でも両先生、医局の先輩後輩とディスカッションすることができ、とても有意義な時間を過ごせました。

明日からの診療に役立てたいと思います。